フェルラ酸とは

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フェルラ酸(Ferulic acid)はフィトケミカルとして植物の細胞壁などに存在する有機化合物である。ケイ皮酸の誘導体で、リグニンを構成する。また、他の芳香族化合物の合成の前駆体となる。

フェルラ酸1

天然での存在

 フェルラ酸とジヒドロフェルラ酸は、細胞壁のリグノセルロース中でリグニンと多糖を繋ぎ合わせる役割を担っている。米、小麦、大麦やコーヒー、リンゴ、アーティチョーク、ピーナッツ、オレンジ、パイナップルなどの種子の中にも見られる。濃アルカリを用いて小麦や大豆のふすまから抽出できる。カフェ酸にO-メチルトランスフェラーゼが作用することにより、生合成される。

生体防御への利用

 フェルラ酸は、他のフェノール類のように抗酸化作用を持ち、活性酸素種などのラジカルと反応する。活性酸素種とラジカルはDNAの損傷や癌の原因となり、細胞の老化を促す。動物実験やin vitroでの実験では、フェルラ酸は乳癌や肝臓癌に対して抗腫瘍活性を示した。また癌細胞にアポトーシスを起こさせる働きを持つことも指摘されている。さらにベンゾピレンなどによる発癌を予防する効果も持つ。ただし、これらは人間によるランダム化比較試験に基づくものではなく、これらの結果が人間にも直接当てはまるとは限らない。アスコルビン酸、ビタミンEと共存すると酸化ストレスを減らし、チアミン二量体を形成して皮膚を守る。

応用

バニリンの前駆体

 天然に多く存在するフェルラ酸はバニリンの工業合成の原料となる。しかし、現在ではバイオテクノロジーを用いたバニリンの製造がより効率的に行われている。  

質量分析

 MALDI法による質量分析でタンパク質のマトリックスとして利用されている。

 

フェルラ山